親から受けてきた教育と 脱却へ向けた練習と

皆さんこんにちは。

支援員の榎本です。

本エントリでは、「職員コラム」と題し、

当施設の生活支援の現場から、日々の気づきや感じていることをお届けさせていただきます。

 

今回は、

Yさんの事例をもとにお届け。

題して

「親から受けてきた教育と 脱却へ向けた練習と」。

親の影響っていろんな意味で大きいよね、というお話。

 

Yさんは、

知的障がいをお持ちの女性です。

幼少期から言語や運動面の遅れがありつつ、一方で中学、高校は普通科を卒業。

日常生活での意思疎通は普通にできる方。障害区分は3。ADLも自立。

ぱっと見フツーなのですが、

家庭事情が複雑。

実は、

本人からは、「親に虐待されてる」という訴えがあり、

叱る、めっちゃ怒鳴る、叩く、といったことをされていた模様。

両親は離婚され、お母さんが引き取って再婚。新しいお父さんも非常に厳しい方のようです。

 

こちらに入所した経緯も、

家を飛び出し、近くの支援ハウスに逃げこんだところから。

当時、支援ハウスの職員さんが、お母さんが探していることを告げると、

その場で震えだし、手の甲を激しくかきむしり始めるといった精神状態。

 

支援ハウスは緊急受入れ先のため、

中長期でグループホームへ向けた訓練をすべく当施設に入所されてきました。

現在、

当施設の生活訓練(なんと短期入所施設なのに生活訓練ができる!)を通じて

さらに、

就労(B型)も開始して(なんと短期入所施設なのに就労支援もできる!)、

グループホームへ向けた準備を進めてます。

 

と、

ここまでは、よくある話しなのですが、ここからが個別事情の出てくるところ。

 

グループホームへ向けて頑張る。

そのこと自体は、それはそれでいいのですが、

生活訓練など、いきなりは全部できなくて、でも頑張らなきゃって頑張って、、、

いつしか

頑張りが焦りに変わり、やらなきゃいけないものに変わり、、

最初は楽しかったはずの頑張りが

苦しくしんどい頑張りに変わってきてしまった訳です。

 

支援側としては、

一度リセットして、ある意味頑張らなくてもいいよ、ゆっくり自分のペースでいいんだよと伝えているのですが、どうしても頑張ろうとしてしまう。

 

じっくり話を聴いてみると見えてきたもの。

それは、

やっぱり、お母さんの存在でした。

 

実は、Yさん、

お母さんから「なきゃなきゃ教育」を受けてきたんですね。

できなきゃダメ

やらなきゃダメ

こうしなきゃ

あーしなきゃ

なんでも、なきゃなきゃ。。。

 

それは

呪いやマインドコントロールのようなもので、

本人を縛り続けていたようです。、。私にはそう見えました。

 

家を飛び出して支ハウスに逃げ込んで筑波へ。

お母さんとの物理的な距離は離れたものの、

受けてきた教育は、思考のクセとして習慣化され、

本人を縛り、時に苦しめ続ける。。。

そんな状況だったようです。

 

そんなときは、

練習が必要だと思います。

今まで

お母さんからなきゃなきゃ教育を受けてきてたのであれば

それと同じくらい、またはそれを脱却できるくらいの「別の考え方」の練習を。

 

それから取り組んでるのは

「ま、いっか思考」のトレーニング。

これ、

どういうものかというと、

落ち着かない、、、ま、いっか。

落ち込んじゃって、、、ま、いっか

できなくて、、、ま、いっか

抱え込むのではなく、手放す感覚を練習しようよという内容。

むしろ

たくさん練習して、そういうクセをつけれたら、きっと変われる、もしくは、楽になるんじゃないかと。

 

それは、

例えば、

右利きで生活していたのを

左利きで生活しようとする、ようなもので。

やろうとすれば分かりますが、私たちも直ぐにはできません。

むしろ、できなくて当たり前ですよね。

 

大事なのは、

その、できない感覚は、ダメってことじゃない。

ってこと。

最初は。

でも、練習していけばいつかきっとできるようになる。

いつかきっと自然になっていく。

そんな日を信じて、、、今日も、まいっかトレーニングを続けてます。

 

少しずつですが、

新しい思考になれていって、気持ちが楽に、そのうえで、少しずつ一歩ずつ、グループホームにむけて頑張っていってほしいと思います。